この人を見たときからそんなことは知っていた。
興味のない話でも、あの騒がしい教室だったら聞きたくないものだってイヤでも入って来る。
でもずっとヘッドフォンをしているわけにはいかないし、本当にしょうがないのだ。
顔は見たことがなくても、特徴だってわかる。オレンジの髪に整った顔。普段の雰囲気はおだやかで、極めつけはーーー。
寝ている時にみえた、赤色のピアス。
どういうことかは知らないけど、龍陽の限られた人間。一部の人間は赤色のピアスを着けているらしかった。
誰でもいいわけではなく、強いものだけがつけていられるピアス。
チームの人から見たらそれはそれは大変な宝だろう。
それを安達康夜はつけていた。
それが決定的な龍陽の証だった。
