「仲良し兄妹じゃなくて、仲良しラブラブ兄妹ね。 いやらしく無いんだ? ふ~ん、だったらさ、」
ミカは悪戯っぽく笑うと立ち上がり、光一に手を伸ばした。
「一緒に入ろうか?」
そう言って光一の腕を掴み、自分の胸に押し当てた。
「だぁっ!?」
慌てた光一は、自分でもよくわからない奇声を発して手を振りほどいた。 その様子を見ていたミカは、お腹をかかえて笑い転がった。
「面白い、面白過ぎる。 そんなに驚かなくてもいいのに。結構可愛いとこあるよね?」
ミカは部屋のタンスを開け、バスタオルを一枚取り出すと光一に投げて渡した。
「お前なぁ、女の子がそんな事したらあかん。 もっと恥じらいっちゅうもんをだな… 」
可哀想なくらいな動揺した光一は、必死で年上の威厳を保とうと四苦八苦していた。
「何で関西弁なんよ? とりあえずお風呂入って落ち着こうよ。 ねっ!」
そう言うとミカは、光一の手を引っ張って部屋を出た。
「私ん家のお風呂は広いよ、きっと楽しいからね。」
ミカは光一を連れてグイグイと屋敷の奥へと進んで行く。
「そうか、それは楽しみだな。 俺が先でいいのか? 気にしないでミカが先に入っていいんだぞ?」