昨日からいろいろな事を考えた。ミカが死んでいるなんて到底信じられるものではなかったし、何より信じていなかった。けど、やはり気になるのは真剣なユカとワカの態度と、あの写らない写真の件だ。しかし…、光一はここまで考えると思考を止めた。 そして気がつくのだ、これは自分自身の希望だ。ミカが死んでいると言ったユカの言葉を否定した上での推測、それはおそらく真実から逃げようとする自分の甘えなのだと。そして光一はワカを見る、さすがに今日は昨晩みたいに邪魔はしたくないようだ、ジッと黙って光一を見ている。次に光一はユカを見る。彼女もまた揺るがない、落ち着いた表情で光一が口を開くのを待っていた。どれくらいそうしていただろうか、すっかり口が乾いた頃光一は静かに口を開いた。
「ミカは…、あいつは本当に死んでるんですか?」
それを口に出した途端、光一の心に何かが重くのしかかる。理屈ではわかっていても、やはり実際に言葉にするとその言葉の重さを実感せざるを得なかった。 光一は己の心拍数が早くなるのを感じていた、神経が研ぎ澄まされるのを感じ、ユカが口を開くさえスローモーションの様に見えた。