昼間の暑さも大分和らぎ、朝晩はすっかり肌寒くなり始めた頃。 光一はひょんな事からユカと一緒にいた。 ミカの姉であるユカとは屋敷で会って以来だったが、たまたま光一が立ち寄ったカー用品店でばったり遭遇したのだ。 前回はミカの手前という事もあり遠慮したが、今回はすっかり話が盛り上がってしまい、わざわざファミレスに場所を移してまで車トークに花を咲かせたのだった。
「やっぱり光一さんと話すのは楽しいな。 私の周りに車が好きな人いないし、それに何より光一さんは話が上手だから。」
「いやいや、こんなに車の趣味が合う人は初めてですよ。俺もすごい楽しいです。」
はたして何杯目だろうか? 二人はフリードリンクをひたすら飲み続けていた。 やがて日が落ちて、ゆっくり辺りが暗くなり始めた頃、
「まだまだ名残惜しいですけど、私そろそろ行きますね。 今日はこれからワカと約束があるから。」
ワカ、それはミントの愛称で知られるユカの妹であり、ミカの姉だ。
「そうですか、わかりました。また今度話しましょう、楽しかったです。」