５日だけの二人

「それより君はどうなんだ？ 昨日は風邪で休んだそうだな？ もういいのか？」
この言葉に若干の動揺を見せた光一だったが、この人も片山と動揺に話のわかる人物だ。 正直に話しても問題ない。
「すいません、昨日は風邪じゃないんです。」
正直に謝った。すると森課長は、
「相変わらずの素直さだな。 よろしい、基本的に君は真面目だから不問としよう。 まあ、仮に嘘を言ってもすぐにわかるがな。」
そう言うと森課長は携帯を取り出した、それを開いて光一に渡す。
「あっ…！」
携帯の画面を見た光一は思わず声をあげてしまった。 携帯の画面には光一とミカの写っている写真が写っていた。
「反対側のホームから見てたんだけど、私は目が悪くてね。 これ、たぶん君だろ？ 一緒にいるのは妹さんかな？」
森課長は光一を見ながら訪ねた。 その様子からして嘘は言ってないみたいだ。
「いえ、私に妹はいません。 この娘は昨日はじめて知り合ったんです。 倒れていたもんですから気になって電車を降りたんです。」