「柊真・・・」

「ん?」

「もう一つ言わなきゃいけないことがある・・・俺、あの後りーちゃんに好きだって言われた。」

柊真からの返事はない。俺はゆっくりと頭を上げた。柊真は真っ直ぐ前を見て・・・そして聞いた。

「それで、なんて言ったの?」

「なんてって・・・中谷には興味ないって・・・」

「言ったの!?」

柊真の素っ頓狂な声に俺はびくっとした。

「う・・・うん」

「ばっ、馬鹿でぇー八神・・・お前みたいな馬鹿な奴見たことも聞いたこともねぇ・・・」

「馬鹿馬鹿言うな! お前の気持ち知っていながら、りーちゃんの気持ち受け入れられるわけないだろう!そこまで腐っちゃいないよ!」

「愛情より友情を選んだんだ・・・」

「そんなんじゃない」

俺は首を振った。

「これ以上、自分のこと嫌いになりたくないって言ったろ・・・」

俺の声に柊真は俺に目を向けた。

「自分を嫌いになりたくないから、いい子でいる。その結果、人を傷つけてもしょうがないってコト・・・?」

「そういうわけじゃないよ・・・でも・・・」




でも・・・




柊真の言うとおりかもしれない。
人を傷つけないで、かつ自分を嫌いにならない方法・・・
そんなのってあるわけ? あったら誰か教えてくれよ!