俺はその言葉に胸を突かれ、柊真を見上げた。
そして、柊真が俺のことお前と呼んだことにも衝撃が走った。

俺、今までこいつの何見てたんだろ? 
そこには俺の知っているいつもの柊真はいなかった。
こいつにこれ以上、嘘はつけない・・・ 


「俺は・・・」

「俺は?」

俺はかたく目をつぶった。

「俺は・・・ごめん柊真! 俺りーちゃんのことが好きだ。お前よりもずっとずっと前から・・・俺・・・」



ふと空気が動き、誰かが俺の前に来た気がした。
ゆっくり目を開けるとそこに柊真の顔があった。

「なるほどね・・・りーちゃんの事は本気で好きなんだ・・・」

「本気って・・・本気に決まってるだろ!」

「いつもの女の子みたいに、俺に紹介しても平気じゃないって事なんだよな・・・」

俺はハッとなった。柊真は俺の腕をつかむと立ち上がらせてくれた。

「お前・・・知ってたの?」

柊真はクスッと笑った。

「俺はそこまで馬鹿じゃない。馬鹿なのは八神君だけ・・・」