「それでも、メールや電話ですまさずに、直接来たんだ・・・」

俺はうなずいた。

「俺、これ以上自分のこと嫌いになりたくないから・・・」

「なるほど・・・」

柊真も軽くうなずいた。

「悪かったよ」

俺は柊真に頭を下げた。柊真はしばらく黙ったまま何も答えなかったが、やがて口を開いた。

「悪かったってなにが・・・?」

「りーちゃんのこと。黙ってて・・・」

「なんで、教えてくれなかったのかな?」

俺は唇をなめ、顔を上げた。

「お、俺から言うより、りーちゃんから直接聞いた方がお前嬉しいかと思って・・・」

柊真は大きく息を吐いた。
真っ白い息が煙のように広がる・・・

と、おもむろに柊真は俺の胸ぐらをつかみ思いっきり右の頬をぶっ飛ばした。
がーんと頭に衝撃が走り、俺は一も二もなく後にふっとんだ。
地面に転がっている俺に柊真は静かに言葉を投げかけた。

「お前そんな言い訳でさー本当に自分の事嫌いにならずにすむわけ?」