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今日もまた、学校を抜け出す。



俺の名前は、如月 葵。



進学校の高校2年だ。



しかし、俺は新学期に入ってからまともに授業にはでていない。



学校には行くものの、授業には出ない。



真面目な奴らが多いこの学校では、俺はヤンキー扱いだ。



喧嘩もよくするから尚更。



別に勉強が嫌いなわけではない。



むしろできる方だ。



今はやることが見つからないだけ。



だから、暇つぶしをしている。



クラスの奴らは、俺の顔が怖いせいか



授業もまともに受けないくせに成績がいいのが気に入らないらしい。



しょうがない。



出来てしまうのだから。



別に努力をしないでこうなったわけじゃない。



子供の頃から母親に叩き込まれた。



言う通りにできないと、ご飯も食べさせてもらえなかった。



寝ることも出来ず、外に出ることも許されず。



母親の行動は更に酷くなり、俺は逃げ出した。



辛くて辛くて逃げ出した。



でも結局見つかって、俺は母親に捨てられた。



鎖を付けられ、ある一部屋に監禁されたまま、食事もトイレも行けないまま俺は捨てられた。



運良く母親に捨てられた一週間後にマンションの隣の住人に見つけられ、俺は命からがら生き延びたのだった。



それからというもの、誰にも心を開かずに一人で生きてきた。



喧嘩もたくさんやった。



まるで母が自分にしてきたように、相手を痛めつけた。



勉強も手をつけないように努力したものだ。



しかし、勉強することだけは嫌でも体に染み付いていて無意識の内にやってしまう。



こんな自分は嫌だったが、どうしようもなかった。



本当は、あの部屋に捨てられた一週間の間に死ぬべきだったんじゃないかとよく思う。



何故かあの時の自分は、『生(せい)』を望んでいた。



『死』ではなく。



今では、あの頃の自分を思い出せはしないが。