獣は小鳥に恋をする





「如月くんって本当とにみんなが言うほど怖いのかなって思って」



「は?」



突然の澪の発言に菫は目を丸くする。



おにぎりを一口パクリと頬張りながら視線は葵の席へ。



「私如月くんのこと噂でしか知らないけど...そんなに怖いて思わなかったの。なんだか逆に怯えていたみたい」



澪の家では捨てられた犬や猫を一時的に預かり、育てる仕事をやっている。



中には人から暴行を加えられたのか、人を極端に嫌い怯えるものも少なくない。



そんな子たちを見てきたからだろうか。



あの金髪男を見てそんな風に思うとは。



「どういう人か知りたいっていうか...もう少し仲良くなってみたいんだよね」



おにぎりを握りしめ、決心するように頷く澪。



「澪あんたって、ホントいい子ね。褒めてやる~」



綺麗なストレートの黒髪をぐちゃぐちゃにする勢いで頭を想いっきり撫でまわす。



「やーめーてー!」



笑いながらそれを受け止める。



この時の澪はまだ



時間はかかっても今よりは仲良くなれるだろうという希望を持っていた。



まさか今よりも悪化するなんて思ってもみなかった。