Dear…愛する貴女よ



子供を産んだゆりはしばらく体調が思わしくなかったけど、なんとか子供とともに退院することができた。


氷室の家に戻って3人での生活をスタート・・・

したんだけど・・慣れない子育てに悪戦苦闘はいうまでもない・・。


ついありふれた言葉を吐いてしまう・・。


『寝てる時は天使なのに・・・』


あれはウソじゃないな・・。


でも、まぁ・・



幸せだ・・・。




「オッス、啓!」

歩きながら思いを馳せるオレのことを邪魔する声が聞こえた。


「裕司・・」

くっそー、コイツ今思いっきり肩たたきやがった・・。

いてぇ・・・。


「なんだよー、お前卒業式だってのにそのツラはー」

いかん・・・叩かれたところがまだジンジンする・・。


「お前・・・」


オレは一度開いた口を閉じた。


「ところでお前卒業式で答辞読むんだろ?イヤー、さすが啓。やっぱ優等生はちがうなー」

裕司が横でニヤニヤしながら歩く。


「・・・・・・」


なにが優等生だ!

オレが休んでる間に面倒な役押し付けやがって・・・。