「・・いまからね・・病院へいくの・・
もうね・・産まれてくるの・・」
ゆりが息を切らしながら言うことに涙が滲んだ。
だけど、そんな感傷に浸っている場合ではない。
「わ、わかったっ、オレもついていく!!」
もうゆりは返事をする気力すらない様子だった。
オレの傍らで必死に痛さと苦しさを耐えているゆりをしっかりと支える。
「ちょっと待っとけ!タクシー拾ってくるから!!」
内心、相当テンパってる・・。
どうしていいのかわからない・・。
今、なにをしたらゆりの助けになるんだ?
とりあえず大通りまで出て、タクシーを拾うことに成功した。
もう一度家に戻りゆりを迎えにいく。
オレにできることはこんなことしかないのか・・!?
「ゆりーーーっっ」
家中に響くくらいの声でゆりの名前を呼ぶ。
さっきの部屋へ戻ると、さっきよりも明らかに苦しそうなゆりがいた。
「ゆりっ、もう大丈夫だ。すぐ病院にいけるからな!」
そんな気休めのようなことを言う。
自分でも気休めとわかっていながら、それでも口から出てしまう・・。
ホント、どーしようもねーなぁ・・。
そしてオレはゆりが入院の時のために用意していたという荷物を抱えてだんだんと息づかいの荒くなるゆりと共に病院へ向かった。

