ずっと探し求めていたゆりの居場所。
それは、オレのじいさんとばあさんのいる家・・
つまり、ゆりの実家だった。
いくら捜してもいないはずだ・・。
そんなとこノーマークもいいとこだった。
距離的には近いわけじゃないけれど、あまりに身近なところにいすぎて少し笑えた。
そして、うやむやに何かを考えながら電車に揺られていた。
気付けばもうすっかり空は陽が沈んでいた。
電車を降りると一目散にじいさんばあさんの家へ向かった。
じいさんばあさんの家、とはいっても2人とも実際にはもうこの世にはいない。
じいさんとばあさんは事故でこの世を去った。
これも親父から聞いた話だけど、その事故にはゆりも巻き込まれていたらしい・・。
オレも参列した葬儀にゆりの姿がなかったのは、重傷を負ってしばらくの間入院していたからだった。
ゆりが養女であることは周りには非公表だったらしい・・。
どうりであのとき誰もゆりのウワサをしていなかったはずだな・・。
事情を知らなかったとはいえ、あの時の自分が妙に情けなくなってしまった。
ゆりにとってこの世で頼れる人間は親父だけになってしまったんだな・・。

