「け・・いくん・・?」


「・・・オレ・・」


「啓く・・ん、何・・なの・・?」


オレ、もう逃げない。


「お前が親父のこと想って、酒飲み明かしてたとき・・たまらなくなって・・。

気絶したみたいに寝てたお前を・・抱いた」


「・・・」


「あのとき、お前が裸でオレの部屋で寝てたときだよ・・。オレがムリヤリ・・」


ゆりはただ黙って静かに聞いていた。



「・・啓くん・・5分間だけ私を1人にしておいてくれる?
5分たったら入ってきて・・?」


そう言ってゆりはボーっとした顔でオレを見た。


もちろんオレはその言葉に従うしかなかった。

病室を出て時間がたつのをひたすら待つ。