みんなから拍手が起こって
拍手が静まった頃、
団長はみんなに指示をした。




「さっそく、始めてくれ。
分担はいつもどうりだ」




後は任せたぞ、と団長はそれだけ言って
この場を去っていった。




「そうね、それじゃあ始めましょう」




セリィはとても真面目で
お姉さんタイプ。
セリィはかけていたメガネを取った。

もちろん、戦いの最中に落ちると
危険だから。




「今日の怪物は、女かな?
男かな〜?」




そう言ってリトは二ヒヒと
笑っている。
リトはいつでも無邪気だ。
ジョンはムッキムキの体で
すごく強い。




四天王にはそれぞれ特技がある。




セリィはアクロバットな動きが
できてリトはとにかく動きが素早い。
そして、ジョンはもちろん強さ
では誰にでも勝てる。
私は、ナイフをうまく使うことが
できる。




シャキーン…




私はピッカピカのナイフを二本
取り出した。




シュルルルルルルル……




ナイフを振り回して
板に投げつける




シュッッッッ…ダンッ!!!!!




「このナイフは大丈夫そうね」




今のは、ナイフがちゃんと
使えるかの確認。




「ヒュー、かっこいいぜっ」




そう言ってジャンプしている
リトを私は無視して
みんなに指示をだした。




「まだみんな寝起きだから
準備運動とか、自分の技の
確認や練習、しておいて」




そう言うとみんなはいっせいに
広がって、技の確認や練習を
し始めた。




「私達もやるわよ」




私はみんなの方を振り返った。




「ええ、そうね。はやく
怪物ちゃんとあってみたいものね」




セリィは完全に楽しんでる。




そして、大きい板のような壁のような
物をバク転でのぼっていく。




すごいわよ、セリィ。
私なんかバク転さえできやしないのに
その上、縦にある板を地面のように
のぼっていくなんて、よく
落ちないわよね。




「次は俺だ」




ジョンが近くにある大きな
練習用の車を体当たりだけで
ペッチャンコにした。




練習中のみんなもその音に
びっくりしてジョンを見るなり
拍手をしていた。




「あ、じゃ次俺いっきまーす!」




リトは防犯カメラの周りを
グルグルまわっていた。
この防犯カメラは人を見つけると
その人の行く先を追う。




グルグル素早く100回くらい
回ると、防犯カメラは
ボンッと爆発した。




「ないすっ!俺ぇ〜」




「ばか。あれ、練習用の防犯カメラ
じゃないわよっ?練習用はあっち!」




セリィはリトの頭を
べしっと叩いた。




「えっ…俺やっちまった!!!」




「それじゃ……最後は私ね」




「えっ!スティーラ俺のこと
無視ばっか……」




私はまたリトを無視して
板に書かれた赤い点のところを
狙えるように集中した。

目をつむって深呼吸をする…。

目をパッと見開いて
素早く赤い点を狙う。




シュパッッッッッッ………




見事に、赤い点に当たった。




「はぁ…」




「どうしたの?赤い点あたった
じゃない」




「聞かなくてもわかるでしょ」




セリィは「ああ…」と言った。




「わかった。赤い点にあたったけど
赤い点の端だったって…ことね」




「そうよ………はぁ……」




何度もため息がもれる。