『っ…』 息を、呑んだ。 いや、呑まないほうがおかしい。 あたしの目の前にいる男は さっき見えなかった顔が いまは月明かりに照らされて 見えるようになっていた。 黒髪の長めの髪に 銀色に輝く鋭い二重の瞳。高い鼻に小さな唇。 こんな男はこの世界で探しても見つからないと思う。 だけどそれと同時にこの男が、漂わせるオーラとこの誰もを魅力させる外見に、 人間ではない。と確信した。