ふらりと立ち上がると、さっきの男が逃げたであろう方向へ、吸い寄せられるように歩いていく。
「……許さない。私からリダを奪った。」
呪文のようにその言葉を繰り返し、森の中を進んでいくアン。
もう嫌だ……もうやめて……。
これ以上は見たくない。
鮮やかなエメラルドグリーンは深く濁り、かつての輝きはもう、そこにはなかった。
前から走ってくる銃を持った男達の手首を、短いナイフで切り裂いていく。
もがく男達を無視し、先へ進み続ける。
すると、前から長い剣を持つ男が突っ込んできた。
「……待ってたよ。」
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