私がまだ幼稚園に通っていた頃、おばあちゃんは私に一冊の本をくれた。
題名も作者も書かれていない、その分厚い黄色い本には、二人の女の子の物語が記されていた。
ナチスがユダヤ人を迫害していた頃、彼らを救うためにドイツを駆け回った少女、アンとシーナの物語。
当時、2人はまだ高校生だった。
“間違ってる…こんなの間違ってる!”
2人はいつも言っていた。
彼らが何をした?
心優しい彼らをなぜ傷つける?
そんな悲しい時代を終わらせるために毎日剣を振るい、17歳という若さでその命を散らした、儚くも強い2人の少女。