彼女の名前は、石原夏海。
ただ今、絶体絶命の危機に直面中。


「言い残すことは?」


自信にみちあふれた笑みを
浮かべるのは、彼女の宿敵スパイダー博士。

彼の笑みの先には
銀色の台に縛り付けられた夏海がいた。


外国人って感じの名前で
溢れてるけど、純粋な日本人。

この名前で呼ばないと…

「なにを言ってほしいの?
多田野新助(ただのしんすけ)さん。」


「わたしの名前はスパイダー博士だ!!」


こうなる。


スパイダー博士が大声で叫んだのと
同時に博士は赤いスイッチを押した。

赤いランプが光り、
大きな音と一緒に鋭い刃物がついた機械が
動き出した。


かすかに油のにおいがした。


「さぁ、お別れだ。」


「こんな装置作るなんて
映画の見すぎよ。」


こんな状況でも
彼女は命乞いなんてしない。

やっぱり彼女はすごい。

でも、刃物は彼女のすぐ目の前に
迫っている。


凄腕でもここまでなのか。


「お待たせ。」


その声と同時に
一発の銃声が聞こえた。