そう思い恵を起こそうと隣を見たら こっちを向いて立っていた。 「行くぞ」 「あ、うん」 「その前に…」 恵はそう言って 私の顔をじっと見つめてきた。 なに?と思い恵に言おうとしたら 恵の言葉でかき消された。 「ココ、泣いた跡ついてる。 目も充血してるし。 このまま出たら俺が泣かせたと思われる から、これで拭いとけ」 恵はタオルを投げた後 私の手を引いて映画館の出口へ 向かった。