【実侑side】





ピンポーン




新居の隣にある



風情ある昔ながらの一軒家の



インターホンの音が外まで鳴り響く。




そう、インターホンを鳴らしたのは私。





そして、新居は私がこれから住む家。





私はこの町へ引っ越してきた。





私は青野実侑、16歳。





隣の人に挨拶をしようと




お餞別を持ってきたのだ。







今は初春でひしひしと汗が伝ってくるのが



滲むほどよく分かる。





暑い…





確か天気予報で今年一番の暑さとかなんとか



言ってたっけな。






春ってもっと暖かいものだと思ってたんだけどな。





初春から最高温度とか。





あー暑い。