え?
一夜…
「なんで先に…俺に言ってくれなかったの?」
「瞬…」
「俺ってそんなに頼りない?」
違う。
「確かにまだ全然子どもだし
信頼できるような一人前の男じゃないけど…」
違うの、瞬。
そうじゃないよ…
「それでも頼って欲しかった」
瞬の肩が震えてる。
そっか、そうだったのか。
不安だったのは私だけじゃなかったんだ。
瞬も同じだったんだね。
ごめんね瞬。
「ごめんなさい…っ……だけどね。
不安だったの…瞬に、どう思われるか。
怖かったの…っ」
「…不安にさせてごめんな」
瞬は私が泣き終わるまで
ずっとずっと優しく抱きしめてくれた。
私もそれに応えようと
背中に手を回して必死に抱きしめた。


