「自分でやる…」
服のボタンを開けようとする俺の手を掴んで首を振る凜。
「いいから。甘えとけ」
「……うん」
……ピピピピッ ピピピピッ
「……8度か。」
ふぅ、とため息をついて体温計のスイッチを消した。
「お風呂入ってきたい…」
「……じゃあシャワーだけ浴びてくる?」
「うん」
「じゃあ行こ」
布団からのろのろ起き上がった凜を抱え、お風呂場へ。
「……芙羽あっちいって」
「倒れたらどうすんの?」
「いい。倒れないから。見ないで」
「……わかったよ」
俺は凜を降ろすと、リビングへ行った。