嫌い……と言った後、慌てて口を押さえた。 だけど蒼は無理向きもせず、ただただ歩き続けて、とうとう気づいたときには、蒼はいなかった。 “嫌い”だなんて発してしまった。 ……さっきまであれほどいい感じだったのに。 どうして嫌いだなんて出てしまうんだろう。 自分でも不思議で不思議でしょうがない。 ……蒼といると、本当の自分がわからない。 いつも着飾る私がいる。 いつも強がる私がいる。 いつも我慢して、 怒られて、 傷つく自分がいる。