出張へ行く日の当日。 やはり心残りなのか、さっきからそわそわしている。 荷物を持った俺は、季蛍の側に寄った。 「……二週間、会えない」 涙ぐみながらも、俺の目を見て季蛍が言う。 「うん…。」 「記念日も、一緒じゃない」 「うん。」 「二年連続楽しくない記念日。」 「……うん。」 「……でも、仕事だからしょうがない」 最後の言葉に、俺は軽く頷いた。