そう。 ちょうど俺が出張へ行き、二日。 その日が丁度俺と季蛍の結婚記念日に当たる。 去年の結婚記念日には最悪な思い出しかない。 その日は俺が少々遅くまで仕事をしていて、更に結婚記念日を忘れている始末。 覚えていたのは季蛍だけ。 しかも夜中に帰った俺の、第一声。 「なんでまだ起きてるんだよ。」 それに酷く傷ついた季蛍は、怒って口を聞いてくれなくなった。 もうあんなことにはなりたくない。