なかなか治まらない。 ポケットにも吸入が入っていないので、少し戸惑ってしまう。 「陽。………薬がないから、少し我慢してて。」 小さく頷く陽。 「あっ、陽。あったあった」 胸ポケットに飲み薬を見つけた。 水を取って、陽に口を開けるように促す。 「……薬入れていい?」 頷くので、陽の口に錠剤を入れて、水を流し込んだ。 ……けど、 「ん゙ッゲホ」 口に入れた瞬間、吹き出しそうになるから、ポケットから出したタオルで口を押さえた。