病院の入り口へ行くと、体を横にして肩を上下させる陽がいた。 「……陽、」 「んんーッ」 陽を抱き上げる。 「すいません。ご迷惑かけましたね」 「大丈夫ですよ」 医師だと思っていた人の声は看護師の声だったのか。 抱き上げた陽は苦しそうだった。 小走りしながら、空いていそうな部屋に入った。 ベッドに陽を座らせる。 体を倒そうとする陽の肩を押さえて、 「倒さないで。………座って。ゆっくり呼吸してごらん」 「……ん」