器具をかえる音と、たまに聞こえる港くんの咳払い。 痛みは麻酔でなかったものの、縫っている感覚がイマイチ嫌で、体をうねらせた。 「これで何回目な訳?」 怖くなっては港くんの手に手を伸ばし、落ち着くまで待ってもらった。 それを蒼が何回目、だと怒る。 「……蒼、いいよ、大丈夫。」 「……」 「あと少しだからね、季蛍さん、」 「……はい」