ベッドの上の布団の固まり。 ペチペチ叩く。 「おーはーよー…高島」 掛け布団のかたまりの中から手だけが覗く。 その手を握って脈をとろうとすると、腕を引っ込めようとするから、左手で腕を押さえた。 「脈ぐらいとらせろ」 抵抗を止めた高島の手首を握って、俺は椅子に座る。 「………いつからこうなの?」 「蒼先生が医局を出てからすぐこうです」 と、看護師。 「………ってことは」 腕時計を見ながら 「二時間半前」 と呟く。