「いた…………んッ、やだ………」
「季蛍」
頭上から降り注ぐ…声。
「痛くない。すぐ終わる」
蒼がそう言う…。
「痛い、ひどい、蒼……。」
「……季蛍さん、麻酔するよ」
「……やだ」
「………えっ?」
「…嫌です」
「いいよ。港。気にしないで」
顔を曇らせ、首を傾げてから、うん、と頷いて私に申し訳なさそうに進めていく。
麻酔がかかったときの体のうねりは、港くん自身かなりビックリしたと思う。
なんせ、痛すぎてかなり動いてしまったから。
「少しはおとなしくしてろ」
蒼の優しくない声が聞こえる。
「……じゃあ今から縫うけど、動くと危ないから。蒼、押さえててよ?」
「うん。大丈夫」


