「……季蛍先生、行かなくていいの?」 「ん、果織ちゃんの呼吸が落ち着くまでいるよ」 「……ありがとう」 「うん。あっ…」 さっき走ったから………。 「……ッケホケホ」 「季蛍先生?大丈夫?」 「……ッ、平ッッ気ッ…………ケホ」 「…季蛍先生?」 看護師も、蒼もいないこの部屋で……。 白衣のポケットから出した吸入を口元にあてた。 「ッ」 なんでこんな所で……発作起こしちゃうんだろう。