「……陽、寝室行ってて。」
頷いてなんとか立ち上がって寝室へ向かう。
ベッドに倒れ込み、目を閉じた。
港が寝室に入ってきた。
「陽、はーる、服のボタン開けさして」
仰向けに寝っ転がると、ボタンを開ける港。
体温計が入ると思いきや、入ってきたのは聴診器だった。
「えっ、やだっ」
「やだじゃない。」
入れられてからの抵抗じゃあもう遅い。
心音を聞く港。
「………ん、いいよ」
「……港、」
「ん?」
「………ごめんね」
「何が?なんで陽が謝るわけ?」
「………なんとなく」
「なんとなくで謝るな」
と、頭に置かれた手で、軽く優しく二回叩く。
「……うん」