「…頭痛い?」 コクリと頷けば、頭の中の石ころが動いた感覚だ。 「んーッ……痛…」 そんな私のことを軽々抱えて椅子に座らせた港。 「陽、目開けて」 頭痛で目を瞑っていた私はそっと目を開ける。 港の手が伸びてきて、思わず避けようとすると、港が頬に手を添えてきた。 「じっとして」 下瞼を軽く下げられ、そのあと手の甲で首もとに触れる港。 「……ちょっと熱い気もするけどな」 なんて言った港が何かを考える。