────……………ガラガラッ
「やだやだ、行かないッ」
無理矢理抱き上げて連れてきたもんだから、腕の中で暴れる季蛍。
「いい加減にして。……大人しくしてればすぐに終わることだろ?」
「んッやだやだ、絶対嫌ッ」
診察室に入り、椅子に無理矢理座らせる。
「ヒッグ、ヒッグ…」
「まーた蒼先生に無理矢理連れてこられちゃったの。
可哀想に。………でも泣きすぎ」
パソコンから目を離さない高島が言う。
「ヒッグ、帰ッヒッグ、……る」
「泣きすぎ。……蒼先生も毎回大変ですね」
「ほんと。………どーしてそんな泣くの」
背中を軽く叩きながら、咳込む季蛍を落ち着かせる。


