問題は季蛍なわけで…。
部屋に顔を出すと、季蛍が背中を上下させながら息をしている。
「……きーほ」
ビクンと反応したかと思えば、俺の方へ手を伸ばす季蛍。
「何、吐いたんだって?」
「……こ………………………くん?」
消えそうな声で言う…季蛍。
「うん。港が言ってたよ。」
「………そ」
「今朝より酷くなってる。髪濡れたままで仕事行くからだろ」
「…だって………………しょ……が………い」
所々言葉を抜かして言うほど辛いのか。
「……仕事、一段落ついたから高島んとこ行こう。…今日、いつもに増してぐったりだね」
「………違……」


