「あ。そういえば、1つ気になることがあって、」
その言葉に眉をひそめる。
「……気になること?」
「はい。あ、聴診してたときなんですけど。
なんか、この辺が青くなってたっていうか…」
と、高島が脇腹辺りを手で押さえる。
「……なんか、痣…みたいに」
「痣?」
「あ、でも季蛍に聞かなかったんです。
……………まぁだいたい蒼先生が見ちゃダメとか言うからもの凄く気を使って少ししか捲ってないですけどね」
ボソッと言う高島…
「俺がなんだって?」
「あっ。だから何でもないです!!
それで、よく見てないんですけど、青く」
「んー…………」
「まあ、蒼先生が診てあげた方がいいかもですね。
季蛍の体は蒼先生のものなんだし」
「季蛍を物扱いするな」
「あぁ、違います。そういう意味じゃなくて……あっ、だからそのー。はい、俺行きます、遅刻するんで。
失礼しまーす」
………なんだかな、高島は。