医局で検査結果を読んでいると高島が戻ってきた。
「あ。お疲れ。どう?嫌がんなかった?」
「いーや。嫌がってますよ。ほぼ」
「……またか」
「最初の聴診からずっと嫌々。」
「……………ッハァー」
「挙げ句の果てに心電図まで。結局出来てないんです。心電図」
「……ったく」
「まだ…残ってるんですかね……。萩瀬にやられた………感覚」
「もし残ってたとしても…診察拒否るのは良くない。万が一なことがあったらどうするつもりなんだ、季蛍は。」
頭の後ろで手を組み、伸びをする。
「……俺が今日もう一回聞いてみる。心電図出来そうならやっとくよ。高島に悪いから」
「…あ、ありがとうございます。助かりますよ、そしたら」
「うん。季蛍は甘やかさないから、俺」
「………いつも甘やかしてるくせに」
ボソッと言う高島。
「なぁに?なんか言ったか?」
「いやっ、言ってません!」