車の助手席に座った季蛍。
車を走らせて季蛍の家へ向かう。
「……お兄ちゃんは彼女いないの?」
「は?」
「…………聞いたことないんだけど。お兄ちゃんの彼女」
「…………いるよ」
「いるんだ。……どんな人?」
「…愛してくれる人。」
「………ふーん。」
「季蛍には言ってなかったけどさ。…俺、結婚するの」
「えぇ!?それ早く言って…」
「仕事忙しいのに言える訳ないじゃん。季蛍に」
「………別に私大丈夫だったのに。
……名前は?」
「れい。……綺麗の麗」
「へぇ~。麗…さん」
「そ。仕事落ち着いたら会いに来て」
「ん、わかった………」


