──────カチャ




「いーよ。中入って」






「……ごめん」






季蛍が中に入り、俺は玄関を閉める。








リビングの椅子に季蛍が座って、俺も向かいに座る。









「………何があったの。」








「………………」








「季蛍?……俺んところ来るってよっぽどだね?」










「……喧嘩した。」









「いつもなら仲直りするじゃん。……そんな荷物までもって。家出でもしてみたつもり?」









「……だって家出したもん」









「家出って……。」