「でも、咲谷先生もその格好なんですか」
「うん。……いいな~とか言ってさ。『俺も~』って着替えてきてた」
「…………」
「芙羽はよくわかんない。………あ、ほら噂をすれば」
クマのフードがついた服の上に白衣を羽織った咲谷先生が。
「…おはようございます」
「おぉ~おはよう。で、新婚旅行はどこ?」
「だから言ってるじゃないですか。結婚じゃなくて健康ですよ」
「ははは~そうだっけ」
「……もう」
「見てー、これかわいいでしょ?」
「…………かわいいですね」
「あー、俺も~」
「う、上野先生まで」
「かわいいでしょ?……クマ」
「…かわいいですね」
「でもさぁ。子供診察するとき母親に笑われちゃった。
『先生おもしろいですね』だってさ」
「うぇー、ざまぁみろぉー」
と、芙羽が医局の中に入っていく。
「なーぬー。俺だってなぁ、子供の………」
「…子供みたいですね」
「だな」