高島先生の診察室につくと、診察室に押し込まれ、
「高島ー、俺医局にいる」
と、一声かけて去っていく。
恐る恐る椅子に腰掛けた私をニコニコ見守る高島……。
「……なんか暗いね。なんで?」
「……い、いーや。暗くないですよ?」
「そう?あと二時間くらいしかないんだけどさ。急いでやっちゃうね。
……んーと。蒼先生が一番最初に聴診やれって言ってたから。最初は聴診で」
……………。
引き延ばせれば。なんて考えが、あっという間に砕け散った。
「……なんで蒼…」
思わず心の声がポツリと出ると、
「季蛍が一番不安なものからやってくんじゃない?聴診…器とか。」
「……ははぁ、なるほど」
……全然なるほどじゃない。
むしろ、なんで?だ。


