患者用の椅子に座り、膝上に陽を乗せる。
……どうせ逃げるもんな。
…いつの間にかこんなに軽くなって。
膝上の陽を診察する蒼。
その隣でぬっくり起き上がった高島が
「………うえ……のぉ……先生……」
「…高島、大丈夫か。相当顔色悪いけど」
「……はぇー」
またベッドに寝っ転がる高島。
「だめだな、あれ」
蒼が苦笑いで言う。
「相当熱上がってんの。にしては陽さん軽くて良かったね。
……別に顔色すごい悪いわけじゃないし。
……喉痛いんだよね。陽さん」
コクリと頷く陽。
さっき眉をひそめてたのは喉が痛くて…?
それをわかってしまう蒼が怖い。
「………よくわかるね。喉痛いなんて」
「…勘」


