──────時計が三時を知らせた瞬間、大きく溜め息をついた。
行きたくなくて、医局でノロノロファイルに資料を片づける様子を、まるで
「検診に行きたくなくてノロノロしている季蛍。それを怒るように見つめる蒼」
とでも名前のつきそうな蒼が睨んでいる。
口を
「何…」
と動かすと、蒼が
「それは後でいいから早くしろ」
と口を動かす。
しょうがなくノロノロ蒼の元へ行くと、
「行くぞ」
と腕を引かれた。
「今日は高島が午後の五時辺りに出張だから早くしないと。」
ポツリと言う蒼の言葉に、少し期待を実らせた。
聴診が、二時間後までに引き延ばせればいい。と。


