聴診器を抜いた俺。
「……すごい雑音なんだけど。…なんで?発作?」
「……」
「………言わないとわかんない」
そっぽを向く季蛍の顎に手を添え、こっちを向かせる。
「……咳、と…………発作は…わかんない。」
「……はぁー。」
目をそらす季蛍…。
「………どれだけ心配したと思ってるの?」
「…ごめん」
「…………ほんと…心配した。……携帯電話家だし、呼び出し来なくて何かあったのかと思って」
「……だって」
「ほんとに………今回は心配したんだからな」
「……いつもじゃん」
「いつもに増して。………心配した」
「…………」
「何で目、そらすの」
「…………だって」
「だって何?」
「………………恥ず…かし………」
「なんで?何年も一緒なのに恥ずかしいの?」
「………最近、蒼…
すご……く、……かっ…こよく………なって…」
「………え」
「も、見てらんないくら…い」
と言って恥ずかしそうに顔を隠す季蛍。
「………だから最近目、合わせてくんないの。」
コクリコクリと頷いた季蛍の顎にまた手を添えてこっちを向かせ…。
「……目、合わせて?」
「無理ッ……」
「目合うとすぐそらすから…。不安だったんだけど?……季蛍、なんか隠してんのかなって。
……そしたらそういうことですか」
「………だって」


