家へつくなりびっしょりな服を脱がせる。
「……ごめんね、季蛍さん」
ここはどうのこうの言ってる場合じゃなくて、申し訳ないと思ったけど…服を脱がせて温かいタオルで体を拭く。
さすがに拭くのは陽だけど。
陽の服がサイズがすごく違う訳じゃなかったので、陽の服を着させた。
「……意識ないな」
毛布を羽織らせて額に手を触れる。
「……季蛍さん?」
「…………」
「きーほーさん」
「………」
濡れた髪を丁寧に拭く陽。
「………季蛍さん?」
肩を軽く叩いて呼ぶけど、反応がない。
首もとにも手を触れた。
相当熱が上がっているみたいだ。
とりあえず敷いた布団に横に寝かせて、布団をかける。
「……病院連れて行った方がいいな。」
「……病院行くの?今?」
「………ん」
「あれ起きた、季蛍さん!!大丈夫?」
「………ん、んー…」
「季蛍さん、俺。港」
「……港、、くん…?」
「そう。………季蛍さんさ、道で倒れてたよね。陽のカフェの建物だったんだよ、季蛍さんがいたの。
……陽に会いに来たの?」
「……違っ…」
「偶然か。………よかったね、でも。陽が見つけてくれたから。多分蒼…………
……あぁッ、俺一番大変な事忘れてた。
……蒼に連絡しなきゃ」
リビングへ行き携帯電話を取り蒼へ発信。
「…………」
「……もしもし!!港?なぁ、あのさ、季蛍知らない?午前からさ…」
相当焦ってるみたい…ってそりゃそうか。
「蒼、ごめん。連絡するのすっかり忘れてたんだけどさ。
……季蛍さん俺んち連れてきた」
「………え?」
「季蛍さんのこと陽がみつけて。…大分冷えてたから相当前からだと思う。
……今着替えさせて横にしてたんだけど、起きたから意識は大丈夫そう。
…けど、体調は多分最悪だと思う」
「…………あ。そう…?……え?港んちにいんの?」
把握できてない蒼。
「……うん。いる」
「じゃ、迎えに行くよ、待ってて!!」
ツーッツーッツーッ
「……待っててってさ…。」
俺んちだから…待ってるも待ってないもないけど…
とりあえず連絡しなかったこと…悪いな、蒼に。