カフェの脇道に車を停めて降りれば、おどおどしている陽。
「………陽、そんなに焦んないの。」
「だって……」
「大丈夫。俺来たから」
少々パニック気味の陽の背中をトントン叩いて、季蛍さんの座り込む所へ。
「……にしてもなんでこんなとこに?」
「知らないよ……」
「陽に助け求めたのかな?……偶然だったりして」
「………」
季蛍さんの服は、完全に雨水を吸って冷え切っていた。
「……長時間いたっぽいな。家に行こ、とりあえず」
「病院じゃないのッ?」
「大丈夫。体温めて少し休ませないと。病院に行ってる間に体が冷え切る。
…ここからだと家の方が近いから。陽も車乗って」
申し訳ないと思ったがしょうがない。
ぐったりな季蛍さんを抱えて、車へ。
車の後ろにあったタオルを敷いてそこに寝かせた。
「……にしても電話くらいできたはずなのに」
車を飛ばして家へ向かった。