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帰ろうと車に乗り込んで、雨で濡れた服を払う。
すると携帯が鳴る。
「……陽か。……もしもし?」
「こ、ッ…あのッ……」
…………声が震えてる。
「どうした?」
「き、……ッあの、だから……」
「陽。落ち着いて?………何?」
「……………季蛍さんが倒れてた」
「…………は?」
「カフェの裏扉の前に座りこんでたの!!」
「なんで?陽に会いに来たの?」
と言いつつ、エンジンをかける。
「…今日はホントはここのカフェじゃなくて、近所の事務所で働く予定で…
皆事務所で今朝から働いてたからここに来なかったんだけど…
私、お店に書類戻しにきたらいたの!!
どうしよ、救急車呼ぶ!?もうわかんない…」
「はーる。………落ち着け」
「だって、体すごい雨で濡れてるし、なんか冷えてるし、返事ないしッ!!
わかんない、ねぇ、どうするの?私どうすればいい?」
「はーる。落ち着くの。
……今から俺行くから。…陽はそこにいて」
「だ、って…」
「今病院。そこまで車飛ばして行くから。絶対焦っちゃだめ。わかった?
切るよ」
電話を切った後、車をとばして陽の働く店に向かう。