……けど、途中で出始めた咳がとまらなくなり、一時立ち止まった。
タオルで口元を押さえ、深く息をする。
「ハッゲホゲホゲホゲホ……ゲホゲホ」
病院につく前に持たないよ……。
これじゃあ……
そう思った末、商店街の薬局に入った。
薬を買って、近くの自動販売機で水を買って。
止まらない咳をなんとか我慢しながら、商店街の脇道に入った。
ここで少し落ち着かせよう。
もう、この時は…家にいるときより怠さが明らかに増していた。
まず薄着。
体を冷やして余計に重くなった頭。
止まらない咳。
モヤモヤする吐き気。
……信じらんない。こんなときに風邪…なんて。
人の命を助ける前に、自分が助けてもらわないといけないなんて…
医者として失格じゃん…………?
深く息をはきながら、なるべく咳がでないようにする。
落ち着いたときに薬を口に入れた。
それでもまた咳が出始めて、落ち着いた頃を見計らって水を流し込んだ。


