それでもなんとか体を起こし、リビングへ行ってみた。






「……ッハァ」







ただの風邪か。








薬飲んで寝てれば治るか。









そう思っていた私だった。









携帯が鳴るまでは。




















~♪~~♪






「……ッゲホ…もしもし?」








「あ、季蛍先生?お休みの所すいません。……今からこちら来れます?」








「ん?急変?」









「それが、千尋ちゃんがさっき喘息の発作起こしたんですけど。

……他の先生の診察拒否していて。まだ少し辛そうなんです」







「薬は?」









「点滴入れてます」








「そッゲホゲホ、じゃあ行くね」









「はい。……先生、咳大丈夫ですか?」








「あ、平気。…ちょっとむせただけ」








「そうですか?じゃあお願いします」












電話を切った後、我慢していた咳が出始めて、タオルで口を押さえる。








「……ッゲホゲホ」








咳をするたびに頭がガンガンする。